瀬戸内国際芸術祭 春会期に行ってきました②
引き続き瀬戸内国際芸術祭 春会期のお話をしていきます。
一日目のお話はこちらから。
二日目
前泊していた岡山国際ホテルから宇野港、直島へ向かい、瀬戸芸をいよいよ楽しみます。
7:00 岡山国際ホテルからタクシーで出発。
フロントの方にお願いしてタクシーを呼んでおいていただきました。
7:20頃 岡山駅到着
朝ごはんや切符を買って電車に備えます。
7:40 宇野行で岡山駅出発
8:30頃 宇野駅へ到着
とりあえず、宇野港へ向かいます。
向かいながらも道々のアートを鑑賞。
8:40頃 宇野港にてフェリーの切符を購入
9時のフェリーではなく11:00のに乗ることにして、宇野港周りを散策します。
コチヌは滑り台になっているのでばっちり滑りました。
まだまだ散策を続けたいところですが、なんと「実話に基づく ムニール・ファトゥミ」「時間屋 長谷川仁」「赤い家は通信を求む 片岡純也+岩竹理恵」は全て10時から。
作品を見ながらも一時間ほど時間を持て余してしまいました。
そこで海の記憶がある中央公園の目の前のあるカフェで二度目の朝ごはんをいただきます。
岡山駅でも朝ごはんを食べましたが、歩き回るアートイベントのときは
どれだけ食べてもお腹がすくのでOKです。
朝も早かったので死んだような顔で休憩します。
10:00 前述の10:00オープンの作品をみるために動き出します。
現代美術は、その作品と展示場所や使用する材料との関連性が大事ですが、
私のような俄か美術好きが現代美術を楽しむには、
作品と自分の関連性、親和性が大事だと感じています。
今回の実話に基づく、は近代建築の破壊に対する問題提起、ということで
近年日本でも「保存か、放置か、建て直しか」と議論になる近代建築がテーマだったので自分に引き付けて考えられました。
使われている映像がパリのもので、パリに少し住んでいたこともあり、近く感じられる作品でした。
時間屋は、私との親和性はとくにないのですが、
いま自身が立っている、なんの変哲もない地方の商店街が、塩田だったということが興味深く
楽しく鑑賞できました。
塩の落ちるさらさらとした音が一定のペースで聞こえるので、
トランス状態になりやすく没入感があったのかもしれません。
赤い家は時間がなくて鑑賞できず…。
11:00 フェリーの時間です。
次からやっと直島です!
瀬戸内国際芸術祭 春会期に行ってきました①
GWにせとげい春会期に行ってきました。
コロナでアートイベントの中止も多かったこの2、3年ですが、無事開催できてよかったです。
1日目 岡山へ
宇野港から直島へ入る予定だったので、まずは岡山で一泊。
岡山国際ホテルに宿泊しました。
ホテル自体は伝統と格式!という感じで素敵だったのですが
ホテルのシャトルバスではなく、普通のバスで向かったため、
山道を10分ほど歩く羽目に…。
街灯も少なく、車も少ないながら、少ないからこそ、すごいスピードで登ってくるので
命の危険を感じました。
スマホのライトをつけて車にアピールしながら歩きました。
2日目の朝は、宇野港での観光時間も逆算し、
早めの電車に乗る予定でした。
しかも、山の上のホテルをとってしまったので、
7時のタクシーに乗って岡山駅へ向かうというスケジュール。
素敵なホテルを満喫することもなく、すぐに寝ることにしました。
美味しそうな朝食も食べられずでした。
またゆっくりできるときに、シャトルバスで岡山国際ホテルに宿泊したいです。
せとげいに備える場合は駅前のホテルにするといいかもしれません。
京都建築旅①長楽館、京都市学校歴史博物館、喫茶フランソワ、河井寛次郎記念館
コロナの流行も納まっていたいた頃、京都市京セラ美術館「モダン建築の京都100年」展の本を片手に京都の建築を巡りました。
①まずは長楽館でランチ
憧れの長楽館へ。「各空間を通して異なる(建築)様式が選ばれており、西洋、東洋、和の意匠を網羅する意図が感じられる」とのこと。
アフタヌーンティーも有名ですが、同行者の強い希望によりカフェへ。
「球戯の間」:ビリヤード室に通されました。
その他の部屋も人がいなければ見学&写真撮影可能でした。
長楽館のブレンドティーをお土産に購入して、いったんホテルへ。
②ホテル近くの京都市学校歴史博物館へ
元々は小学校だったというこちらの建築へホテルから歩いて向かいました。
「旧成徳小学校から移築した擬洋風建築である車寄せは、市内に現存する最古の小学校建築物」ということで期待して見に行くも、工事中なのもあり、肩透かしの感を否めず…。
そのままフランソワ喫茶室に歩いて向かいます。
③フランソワ喫茶室
こちらも有名なフランソワ喫茶室。午後3時前に到着すると6組程度並んでいました。
20分程度で席に通されました。赤いビロード張りの椅子と黒檀の机が映えます。
欲望のままに注文したところアップルパイとアップルティーとリンゴ尽くしになってしまいました。
④河井寛次郎記念館
さらに歩きます。20分ほど歩いて河井寛次郎記念館に向かいます。
東京国立近代美術館「民藝の100年」展で見たばかり、しかも猫もいるということで期待たっぷりです。
一軒家を余すことなくみられる造りに加え、茶室や窯も見られるという贅沢な記念館です。
椅子がたくさんあり、本や雑誌が積まれ、猫が暖房にあたっているというとてもウェルカムな雰囲気。ところどころに花も飾ってあり、地域の人に愛される、何度も通いたくなる記念館、という印象を受けました。
湯田温泉ユウベルホテル松政&中原中也記念館
先日、所用で人生で初めて山口県に泊まる機会がありました。
とはいえ、自由になる時間は12時間ほど。
私的大満喫short tripしてきました。
まずは夕方、湯田温泉ユウベルホテル松政へ、宴会場があるような大きくかつ歴史あるホテルでありながら、一階には一風堂というあまり見かけないスタイル。
雨の中、お着物姿の方が出迎えてくださったのですが、エンジンを切った後に、窓を閉め忘れに気がつき、再度エンジンをかけて、窓を閉めるも、今度はエンジンがきれず…
。
その間ずっと横で待機されますます気が焦り、最後はキャリーバックを忘れました。
しかしもうとても言い出せず、お部屋に入ってから車まで取りに戻りました…。
暖かいお迎えはありがたいですが、スマートに行動できないとプレッシャーにもなりますよね。
お部屋はこれぞ温泉旅館!というスタイル。
よく考えればこのタイプのお部屋に1人で泊まるのは初めて。
一人旅にはなれた私ですが家族や友人との過去旅行が思い出されてしんみりした気持ちに…。
気を取り直し、ご飯を食べに外に出ます。
相変わらずの雨なので近場のコンビニで済ませようかと歩いていると『長州屋』の文字。
瓦焼きそばなどご当地グルメとお土産のお店に誘われるように入り、山口といえば、のフグなどをいただきました。
気のきく店員さん達がテキパキ働く気持ちの良いお店でした。
スーツケースを回収しながらお部屋に戻ります。
ユウベルホテル松政さんは大浴場がとっても素敵とは聞いていたものの、翌日も人と会う予定があったため、大事をとって貸し切り風呂を予約しました。
同時に入浴する方達がどの程度マナーを守るかは自分ではコントロールできないですからね。
私が利用した1の湯は1人から3人用でお値段2200円。
癖のないお湯を広々独占できました。
翌朝、開店時間ぴったりを狙って中原中也記念館へ。
生家があった場所に建てられたモダンな建築を見るだけでテンションがあがります。
しかもエントランスへと続くアプローチには中原中也の詩が飾られています。
実は、中原中也の詩は、教科書で知るのみ。しかも当時の印象は『鼻につく』であまり期待はしていなかったのですが、中也直筆の手紙を読むうち、彼の子供でお茶目で潔癖な性格が可愛く思えてくるのです。
たくさんの友人に宛てた手紙が展示されているのですが、相手によって態度が全く違うのに、どの手紙にも『甘え』が見え隠れします。
中也は友人達のことが好きで好きで仕方がなかったんだな、可愛い奴め、とまんまとファンになって記念館を後にしました。
実は山口情報芸術センターの特別企画、坂本龍一さんの音楽を使ったインスタレーションにも行きたかったのですが、新山口駅発着ということで、山口駅方面による時間がなく、残念でした。
短い時間で大満足の山口short tripでした🐡
ボイス+パレルモ展@国立国際美術館
国立国際美術館は以前から気になっていたのでようやく叶って嬉しいです。
ボイスの作品や行動は直感的に眉をしかめてしまうものが多く、相容れないかも…という予感とともに展示を見始めました。
特に最初のキャプションで「脂肪」を素材として用いて…というあたりからすぐに「腐敗」というイメージに結びついたのが印象に残ったのだと思われます。
残念ながらこの印象は最後までなくなることはありませんでしたが、それこそが彼の目指すところでもありますし、後半には彼に親近感を覚えることもありました。
キャプションに繰り返し登場するボイスの目的。それは「芸術概念の拡張、であり、広く公衆に語り掛け、挑発し、駆り立てること」
それは直感的な「良い」からの脱却とも呼べるものなのではないか。そして「良い」とはなんなのかということに関して再考させるということなのではないか、と感じました。
私は常々「良く」あることを志向し、それを「美しい」という言葉で表します。この場合の「美しい」とは単に見目が良いということではなく、「clean」「sophisticated」「pure」「inocent」「beautiful」などなど、私の思う「良い」の集合体を意味します。
まず、ボイスは私に「それらは本当に良いのか」と語り掛けます。腐敗さえも内包した作品を通して、私の「美しい」を拡張せしめんとします。
さらに、「言語化」と「芸術概念」の呼応があります。
私は常々「もっと言語化する習慣があれば、人々は幸せになれるのではないか」と考え、実践しています。
例えば「パートナーが欲しい」と思ったとき、欲しいのは本当にパートナーなのかを立ち止まって考えてみる、ということです。
本当にパートナーが欲しいときも、ただ単に孤独を感じていて温かいお風呂と甘いもので満たされるときもあります。実はただ話し相手が欲しかっただけ、ということもあるでしょう。
大事なのは欲求も社会の影響を受けるということです。世の中にはあまりにも「孤独」=「パートナーの不在」という図式が溢れています。
話をボイスに戻しましょう。ボイスは私の思う「言語化」の実践を芸術を通して行っていたのだと感じました。
つまりボイスにとって芸術表現の拡張はただ単に既存の芸術概念への挑戦を意味するだけでなく、芸術行為を再考することが人々の幸福に直結すると感じていたのではないでしょうか。
パレルモの作品はボイスに比べると「腐敗」がないからか、受け入れやすいものが多かったです。
そのなかでも最も引き付けられたのが 09 無題 でした。
この作品は大きすぎる木枠と小さすぎるキャンパスで構成されています。白い壁に展示されているのもあり、十字架のような神秘的な雰囲気を湛えていました。
彼の作品は従来の「美しさ」を備えたうえでの「既存の芸術」と捉えられ、ボイスがパレルモの弟子なのではなく、その逆なのがより、この展示に深みと説得力をもたらしていました。
春の福岡・大宰府・柳川 建築旅①
訪れた場所:鹿島本館、櫛田神社、博多町家ふるさと館、旧福岡県公会堂貴賓館、福岡市赤煉瓦文化館、柳川、大宰府天満宮、福岡市美術館
まだ肌寒い初旬、福岡に飛行機で降り立ちました。
近い!空港から市内までがとにかく近くて便利!
まずはチェックイン
建築好きな私の希望でお宿は国登録有形文化財 鹿島本館さんです。
玄関からすでに風格を感じます。
しかし満足していたのは私だけで建築や文化財に興味のない友人は「ぼろい」と…。
また、バスルームが共同だったのでなによりもお風呂を重視する友人には悪いことをしました…。
荷物を置いたらすぐにランチのお店探しに向かいます。
微妙な時間帯だったので空いているお店も少なく、店先のカエルの置物に惹かれてうどんやさんへ。
するとTVカメラが取材に来ていました!なんだかとっても有名なお店だったようです。
ガイドブックを熟読する派ですが、自分の足でみつけた素敵なお店ってなんだか特別な愛着がわきます。
有名なお店のようなのに肩ひじ張らない接客で「観光ですか?でしたらうちは丸天とごぼてんが有名ですよ」とのことなので、それがなにかもわからないまま注文します。
このおうどんのおいしいこと!だしの香りに初旬の風で冷えた身体も緩みます。お値段もとってもリーズナブル。たしか500円くらいでした。
ぜひまた伺いたいお店です。
そのまま近くの櫛田神社へ。
おおきなおたふくが行く手を阻みます。
笑顔のおたふくさんをみていると祝福されているような気分に。
梅も咲いていて本当に気持ちのいい場所でした。
ここからは建築祭りです。
博多町家ふるさと館へ。町家って本当にいいですよね。大好きです。
町家というとつい天井の低い長屋を思い浮かべますがこちらは天井が高い!梁も立派です。
この写真の左の棚は階段にもなっているんです。こういうのを見るときゃーきゃーしてしまいます。
そして私的にとってもツボだったのがこの塀!
瓦で描かれた模様が最高です。
続きまして旧福岡県公会堂貴賓館。
こちらは重要文化財です。
この写真は私的ベストショットですね、ぼんやりとした街灯の灯りが貴賓館が建てられた明治の雰囲気を今に伝えてくれているかのようです。
どんどん行きます。福岡市赤煉瓦文化館。
こちらは市の文化財です。煉瓦っていいですよね~もう大好物。
中にはカフェや会議室があって勉強や会議をしている人たちがいました。
日常の中にこんな素敵な建物があるってなんて豊かなんでしょう。うらやましい限りです。
この日はここまで。
あくる日は大宰府・柳川観光切符でお得に大宰府と柳川をめぐります。